もちろん子供は親を選べない

2021年6月5日

ネットで育児関係のものをちょっと調べていると、子供が親を選ぶ、選ばないの話があるようで、奇妙に思いました。子供が親を選んで生まれてくる、という発想が、ある効果をもつのは理解できますが、明らかにもっともらしくないし、好ましいとも思えないからです。

「子供はあなたを選んでくれたんだから頑張りなさい」とか、「自分を選んでくれたんだからがんばろう」とか、まあそういう効果はあるかもしれませんが、それにしてもこの考えはどうかと思うのです。

もちろん科学主義者ではなくても普通に考えれば、生まれる前に選択する意思なんてのはありえないのですが、この手の考え方をする人には、そういう科学的な思考に訴えてもあまり意味はないでしょう。

僕が一番この考えが好ましくないと思うのは、極めて危険だからです。というのも、この考えは、子供に対するひどい仕打ちを正当化しかねないのです。例えば、子供に対して何をしても、「こんな私(親)を選んだのはお前じゃないか、自業自得だ」と。

しかも自分を選んでくれたから頑張るって、道徳的にどうなんやって思うんです。例えばもう少し大きくなった子供に、「君を選んでくれた人にだけ良いことをしてあげなさい」って教えますか?

さらに子供に「君がパパ(ママ)を選んだんだよ」なんて言えますか?厚かましいっていうか、向こうからしたらそれこそ「はあ?」って感じでしょ。

子供が自分を選んだから頑張るじゃなくて、選べなかったからこそせめてできるだけのことはしようってなるんなるんじゃないでしょうか。選べたらもっといいとこをえらべたのに、僕のとこに生まれてきちゃって。せめてできるだけのことはするわなって。

先ほど書きましたように、もちろん子供が選んでくれたからがんばろうってなるって理屈もわかるんですが、選ばれなかったとしてもいいじゃないですか。出会えたんだから。

(もちろん子供と一緒にいると、いつもこんな綺麗ごとですむことはないですけどね。腹立つこともいっぱいですし。)


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