そろそろ「おかあさんといっしょ」はやめるべきでは?

今年で60周年を迎えたNHKの「おかあさんといっしょ」は、僕の息子も大好きな番組の一つで、僕も一緒に見ていてたくさんの歌を覚えました。DVDも何個か買ったりして。

でもそろそろ、この番組は終わるべきじゃないかと思います。

なんてことを書くと、多くの親からお叱りを受けそうですが、僕が言いたいのは、番組自体を終わるということではなくて、タイトルを変えたほうがいいということなのです。

僕は、これからますます母親が家庭を守り、父親が外で働くという考えはやめるべきだと思っています。息子が大きくなった時には、もう両親がそれぞれ育児を分担して同じように子供を育てるような社会であって欲しいと思っています。そして現実に、少しずつだとは思いますが、そういった方向に進んでいると思います。

だから、NHKは率先して、「おかあさんといっしょ」というタイトルをやめるべきだと思うのです。「おかあさんとおとうさんといっしょ」これでいいのではないでしょうか。

あるいは「みんないっしょ」でもいいですが(笑)

たんなる言葉だけの問題だと思われるかもしれません。ですが、こういった言葉遣いの中に、僕たちの先入観がしっかりと埋め込まれているのです。

たとえば、英語で、豚肉を食べるという言葉は、eat porkであってeat pigとは言いません。牛肉はビーフであり、鹿肉はベニソンです。

動物の権利を守ろうとする現代の哲学者の一人であるピーター・シンガーは、こういった言葉遣いは、僕らが生きている動物を食べるということから目をそらせる一つの習慣に基づくのだといっています。一種の隠蔽だと。その考えからすると、eat pigは、生々しすぎるその感じから心をそらしてしまうのです。

僕たちの使う言葉は、僕たちのそういったさまざまな先入観、そしてそれは時代遅れの先入観をいまだに表していることが往々にしてあるということです。

もちろん、多くの家庭では、なかなか仕事の都合などで、父親が十分に育児に参加できない家庭も多くあるでしょうし、実際には、おかあさんがほとんど子供の世話をしているという過程は多いと思います。でもそれが変わるのを待つのではなく、変えていくために、僕たちが接する言葉を変えていくことによって、社会の意識の変化を加速させるということも必要なのではないでしょうか。

いまだに母親が育児をするものだということを示すような言葉に出会うと、育児に頑張っている父親にとってもあまり良くないように思います。

だからそのさきがけとして、「おかあさんとおとうさんといっしょ」。どうでしょうか?


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