Aが体力もついてきて、最近は保育園の行き帰りに歩いて行けるようになりました。前も歩けたとは思うのですが、しばらくすると「だっこ」といって結局抱っこしなければならなくなったのですが、それがなくなったのです。
しかも歩いていくのが楽しいらしく、自転車で行くか歩いていくかと聞くと、今のところ必ず歩いていくと言います。
保育園までの道のりは、大人ならば10分くらいですが、Aと一緒だと15分から20分くらいかかります。めんどくさいと言えばめんどくさいのですが、Aが体力をつけるためには、あきらかに自転車よりも有益です。勉強するにも体力は必ず必要になります。
でもせっかくですから、この歩く時間を最大限、体力以外の教育にも活用したいものです。
僕とAがこの保育園の行き帰りにやっていることがいくつかあります。まずは、今日のタイトルにある「鬼の痕跡を探す」です。これが何かということなのですが、行き帰りの道中のアスファルトには、多くのひび割れがあります。これが何でできたのかということを二人で話し合うのです。
僕らの物語は、これは、鬼さんがいたずらをしたというものです。これは以前、なんで道にひび割れがあるのかということをAが聞いてきたときに、僕が彼に「鬼さんがやった」といったことがあるのを、Aが覚えていたことがきっかけです。歩いて保育園に行ったり、帰ったりするたびに、こういうひび割れを見つけたAが、「パパ、あれ鬼さんがやったんちゃう?」と聞くようになったのです。
「お、よく覚えていたな」ということで、僕らの鬼の痕跡探しが始まったのです。ひび割れには、いろいろなものがあります。でもそれがすべて鬼の仕業というわけではありません。直線的なものであったり、四角いものであったりする場合、Aは最初に「これも鬼さんや」とAは言ってきたのですが、僕は「それは違う」と答えたのです。こういったものは、鬼ではなく、道を直す人がやったのだと。
なんでも「鬼」で片付けてしまうと、リアリティがありません。鬼の痕跡とそうではないものがあって、それを二人で見抜くこと、それが重要なのです。きちんと(?)状況を観察しようとする姿勢を身につけることが重要です。Aも最近では、ランダムな傷は鬼、直線的で規則的なものは道を直してくれる人、という区別を理解し、それも含めて報告してきます。
また、鬼の痕跡でもさまざまな物語があります。古いひび割れには苔が生えていたりしているので、これはずっと昔の鬼さん、マンホールの近くの傷は、マンホールを持って帰ろうとした鬼さんが作った傷。
まあ、こんなことを書いていると、なんの話や、と呆れる人もいるかもしれませんが、案外、Aは真剣なのです。2歳のAにとって、これはおそらく事実なのでしょう。そしてこういうやりとりは、Aにとって周りを観察し、何かを見つけようとすること、そしてそれを見つけたときに、なんでそれができているのか、その原因を考えることの訓練にもなりますし、そしてそれは想像力を豊かにしてくれるのではないかと思っています。
こんなことをやっているとますます歩くのが遅くなるのですが、有意義な時間なのです。

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