鹿の餌やり

昨日は、母の入院が思ったよりも長引いているので、息子と妻と一緒にお見舞いに行った。そのあと、父にお昼をご馳走になって、別れたあと、奈良公園にいってみた。

その目的は鹿せんべいを息子にあげさせることだ。息子は動物が大好きなんだけれども、奈良公園での鹿の餌やりは初めてだ。昔妻が鹿せんべいをあげたときには、ワサワサと群がってくる鹿の大群に妻の方が恐れをなして、半ば鹿せんべいを投げるようにあげていた。

鹿を見ると案の定、息子はわーわーいいながら、指をさし、どんどんと鹿に近づいていく。もちろん鹿だって生き物だし感情を持っているので、いつ突然息子に突進したりするかわからない。見ているこちらの方がハラハラする。怪我ももちろんだけれども、なにか怖い目にあったときに、鹿が嫌いになるのも困る。

鹿せんべいを息子に渡すと、彼もすぐにそれがなんなのかを理解したようで、さっそく鹿にあげはじめた。最初、息子にむらがる鹿の大群を予想して、さすがに息子も鹿を怖がるのではないかと心配したが、暑さのせいか、増え続ける観光客のおかげで飽食の時代に突入しているのか、鹿はまったくせんべいを食べようとしない。匂いはかぐのにぷいっと顔を横に向けてしまう。息子の顔がとても寂しそうになる。まるべアンを抱っこしようとして逃げられたときのようだ。こちらもなんかかわいそうになって鹿さんもお腹いっぱいみたいやね、と息子に通じるかどうか怪しい言葉で声をかけてみるのだが。。。

とりあえずできるだけのことはしようと、鹿せんべいを食べる鹿をさがして奈良公園をあるきまわることに。そうするととうとう、鹿せんべいを食べる鹿に遭遇!!息子のテンションはまっくすになってもう次から次にせんべいを鹿に差し出す。

彼の小さい手の中に、それに負けず劣らず小さくなったかけらまで彼は鹿に差し出していた。おそらく大人だったら、こんな小さいかけらを差し出すと、手を噛まれちゃうのではないかと思って捨ててしまうくらいのかけらだ。でも息子にはそんな考えはまったくないようで、鹿せんべいを与え続けていた。鹿も器用に彼の手からせんべいを取って食べてくれていた。

あっというまになくなった鹿せんべいに残念そうな息子だったが、今日はこれで終了。奈良公園は彼にとっていい遊び場になりそうだ。

彼はたんに怖い思いをしたことがないだけだと思っていたが、ふと周りを見ると、息子と同じ1、2歳の子供が鹿が近づいてくるのをみて大泣きしていたので、個人的な性格もあるのだろう。

でもいつか知性の発達とともに、鹿が怖くなることもあるかもしれない。それもまた一つの成長の証なんだろうけど、今日の息子は、なかなか頼もしかった。


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